表現能力

私のヨガの師匠は中国語ができないのでレッスンは英語で進行。
ゆっくり分かりやすくフレーズを区切って説明してくださるので、
私もなんとなくついていくことができます。気のせいかもだけど。


彼女はレッドクラス中であっても、ワークショップ的なことをやることも
全く厭わないので、生徒が2人組になって練習することもしばしば。
その際、私のパートナーはほぼ100%中国人の生徒になるのですが、
どうやら師匠が最近、私が中国語ができることに気づいたようで、
「Kaori!パートナーに中国語でこのように伝えなさい!」と指示してくる。


パートナーが英語ができる場合はこの時点でだん!なのですが、
できない場合は伝えないといけない…。これがかなり難しい…。
もちろん英語→中国語というだけで私にとってはアップアップなのですが、
それを引き算しても、ヨガの表現って本当に難しい…。
「飛んじゃだめ。でも浮いて」みたいな。


相手がヨガを少しでも「理解」していればシンプルな言葉でも伝わるのですが、
そうでない場合は本当に本当に伝わらない。
言葉で説明して「分かった」って言ってもらったり、
やって見せて「分かった」って言ってもらうこともあるけれど、
大抵の場合は、ああ伝わってないんだろうなあ…って思います。


でもそういうのも含めて、結構楽しいというか勉強になります。
自分が思っていることを人に伝えることが、いかに難しいか。
伝えたつもりになっていることが、いかに多いか。
それを思い知らされてくれます。
やはり豊かな表現力や表現手段を身につけないといけないですね。
母語を使っていたとしてもそれは同じ。


最近テスト勉強をしているのですが、以前と変わらずリスニングが弱い私。
でもこないだ中国語の先生から、
「あなたはリスニングがいいね。どんな練習をしたの?秘訣を教えてほしい」
と言われ、目を丸くしました。
「先生、さっきも私言ったじゃないですか。私はリスニングが一番苦手なんです。
HSKもこれで何度も失敗してるんですよ」


すると先生がこうおっしゃる。
「試験のリスニングは別物だからね。
私も英語のテストとか受けてるから分かるよ。
でも、あなたは会話の上でのリスニングはとても良いと思うの」


確かに生の人間と話していたり、テレビ番組を見ていたりすると割と分かるのに、
テスト問題聞くと全く分からなくなっちゃったりする私…。
あの真面目くさった機械的な声色がまず苦手です。


対面して話していると、手振りはもちろんのこと、表情や語気も伝わってきます。
それだからかなあ?と思ったのですが(外国語の電話って難しいですよね)、
先生との会話ではあまり関係ないかもしれませんねー。


あと思い当たるとすれば、
・「次に何を話してくるかな」と予想すること
・相手が話していることの「背景」を予め知っていること
という点かな??


今学期が第4学期目となる私。
何かあるたびに「百事通(ものしり)」扱いされます。
確かに上海への留学生としては長めの滞在かもしれませんが、
クラスメイト達が「えーそれ知らない!」って言っていることの多くは、
私はだいぶ前に知っていたように思います。


日本の若者が海外旅行に興味をなくしている、という記事をたまに見ます。
でも、「いくら近い中国とは言え、海外に留学している子達は違うだろう」
以前私はそう思っていました。


ところがそうでもないのです。
上海に来て2ヶ月が経つのに「バスも地下鉄も乗ったことがない」という日本人学生に遭遇。
百歩譲って「おぼっちゃんかな?タクシーでなら移動したのかな?」と再度尋ねると、
「いや、それもないです。学校の周りしか行ったことありません」とのこと…。


その後友人に連れられて遠出したことはあったようだけれども、そのきっかけも
「友人」あってのことで、自主的な動きではなかったのです。
「ねえねえなんで?あそこ行きたいここ行きたい!ってならないの?」と尋ねても
「いやー別に。ならないですね。めんどくさい」という感じでした。
どこぞで喉から手が出るほど欲しいサンプルかもしれない…と接しつつ思いました…。


そして、彼の中国語はやっぱり伝えられない伝わらないという感じ、
そして、それが彼自身は理解できていない感じ。

なんだか彼もいろいろ不幸だったのかもしれません。
でも今私が一つだけ言えるのは、


「彼と日本語で話していても、つまらなかった」

ということですかね(笑)。


だらだらと書いてしまいました。すみません。
でも、そういうことだと思います。
表現力ってやっぱり大事だと思います。