「蜗居」

ずいぶん前に見終わっていたのだけれど書いていなかった…。
去年から随分流行っていた「蝸居」というドラマの話です。
まず小説がヒットしてその後ドラマ化というもの。


中国語の先生が、
「自分の彼氏は特に対策をせずに日本語検定1級(難しい)に受かった。
勉強方法は日本語の小説を読むこと。あなたも読んでみたら?例えばこれは?」
と勧めてくれた小説がコレ。
で、ドラマも流行ったというので見始めたらハマってしまいました。
上海(ドラマ中では江州という架空の都市)を舞台にした「都市群像劇」。


「蝸居」とは、超〜狭い家の意味。
日本のかつてのバブルとは少し性格が違うけど、上海は住宅バブルのまっただ中。
東京よりももっともっと高く売られているマンションもいっぱいあります。
こういう現状が素地にあります。


どんなドラマかを紹介されているブログ。
中国2009年最大のヒット(ドラマ)「蝸居」


このドラマ本当に流行っていて、中国人はまず大抵知っている。
上海在住の日本人の友人の中にも見ている人がちらりほらり。
本当にヒットしたんだなあ〜。


学校の先生が雑談で話していたのですが、このドラマは上海電視台制作であるにも関わらず、
去年の5月に放送が始まった直後に上海での放送が中止されたそう。
上海の人なら「あ、あの汚職事件じゃん」とすぐに思い当たる「元ネタ」が使われているなど、
過激な内容が理由だったようなのですが、中国のテレビ放送の特徴である「伝播」により、
他省の電視台で放送されているのが上海で見れるようになったというオチが…。
なんか厳しいのかユルいのか良く分かりません。


ドラマは口語表現の宝庫なので、1シリーズ見るといろいろ学べるのはもちろんなのですが、
このドラマの重要人物である「宋思明」という市長秘書が良く固い台詞を吐く。
成語(四字熟語)とかを盛り込んだ「こんなの普通言うかあ〜?」みたいな台詞も。


でもそれを他の先生に訴えると(やっぱりどんな先生も見てる)、
「それは宋思明だからよ」ときっぱり。
自分の文化レベルを見せつけるのにすごくいいそうなんです。成語。


今テスト勉強でいろいろ四字熟語や慣用句を覚えているのだけれど、意味が分からない時、
先生が(また別の先生!)良く「蜗居で言うと…」って例を挙げてくれます(笑)
私があのドラマ見てたの知ってるから。でも確かにこの例が分かりやすい。


今、上海に住んでいる人、その中でも特に、上海出身ではない地方出身者の
生活が良く分かります。学歴はあっても、とてもとても厳しい現実。


まあ、そもそも「結婚したら、というか結婚する前に、絶対家を買わないといけない」という
こっちの人の考え方には疑問符がたくさん付きます。
彼らが言うところの「理由」も一応理解できるような気もするのだけれど。


そういえば今日ニュースを見ていたら
「日本では若者は結婚するからと言って必ずしもすぐには家を買わない。
まずは賃貸の家に住んで、房奴(住宅ローン返済の奴隷)になるよりは、毎日の生活の
幸せを楽しむことを大事にする」というニュースが流れました。
その次はアメリカに場面が変わり、こちらでは、「家族の人数の変化によって
住み替えをするパターン(最後はまた狭いところへ)」が紹介されていました。


先日、中国の住居価格の調査結果が発表され、前回よりもちろん数字が上がっていたのですが、
「本当はそんなもんじゃない。発表された数字の100倍だ!」と反発する大衆の声もあります。
このような声に対し「ま、家買わずに借りるのも一案では?」と(政府が)提案しているような
ニュースだなあと思いながら見ました。


上海に興味がある方にとってはかなり勉強になると思います。
日本で見るのは今は難しいですが。


ドラマを見終わった方、今度「蜗居」話で盛り上がりましょう!