教科書の文章にヨガを感じる

今学期は漢語研修生の一番上のクラス。
さすがに教科書の文章も「高雅」な感じがします。


しょっぱなは、傅雷(1908-1066)という中国の有名な翻訳家が、
子どもに当てて書いた手紙を集めたもの。
長男の傅聪は中国の有名なピアニストです。


昔の方なので、古語的な表現も多く、読むのが少し難しいのですが、
さすがに文章を書く仕事をしていた人の手紙なので、文章が美しい。


当時、息子の傅聪は海外留学をしており、前の手紙でおそらく
海外での生活や勉強について、苦悩や不安を訴えていた模様。
傅雷は、
そういう苦悩は私たち人生の先輩はとっくに経験している。
頼りなさい。
子どもが親に訴えずに、誰に訴えるんだ?
親が子どもを励まさずに、誰が励ますんだ?


などと書いた後に、こう続けます。
ここがちょっとヨガ的だったんです。

人一辈子都在高潮−低潮中浮沉,惟有庸碌的人,生活才如死水一般;或者要有极高的修养,方能廓然无累,真正地解脱。只要高潮不过分使你紧张,低潮不过分使你颓发,就好了。太阳太强烈,会把五谷晒焦;雨水太猛,也会淹死庄稼。我们只求心理相当平衡,不至于受伤而已。

(以下、私の適当な訳)
人は一生、高潮と低潮の間を浮かんだり沈んだりして生きていくものだ。
ただ、凡庸な人間の生活は、死んだ水と同じようなもので変化はないけれど。
高い修養を積んだ者であれば、周りがどんな状況であれ、驚いたり慌てたりすることはない。
そこから抜け出すことができるんだよ。
高潮な時には張り切りすぎず、低潮な時には落ち込みすぎず、ただそれだけで良い。
太陽が強すぎると作物は枯れてしまうし、雨が多すぎても作物は育たない。
私たちはただ心を平静に保ち、自分を傷つけないようにすればそれでいいんだよ。


この後はちょっと説教くさい表現が続くのであまり好きではなかったのですが(笑)、
上記抜粋部分はう〜ん、すばらしい。ヨギだわー。


そして、美輪様が昔おっしゃっていたこんなことも思い出しました。
「良いことがあると、後で悪いことがある。悪いことがあると、後で良いことがある。」
ああ、簡単だけど本当に分かりやすい。


結局は心構え。
困難にぶつかった時に、それを乗り切る力だけが重要視されがちだけれど、
困難が発生することを常にやわらかく予測しておく力や、
困難が発生した時にまずはすんなりと受け止める力も大事。
その上で困難を解決していけばいい。
関節を常にマイクロベンディングしておくとケガもしにくい(笑)


そして、自分を傷つけないことは基本中の基本。
自分を大切にして傷つけないことは、人を大切にして傷つけないことへつながる。


授業の復習をしながら、こんなことを考えてしまいました。
あまり中国語の勉強になってない気がするけど!