しつけ

中国の小学校は大人が送り迎えすることが一般的ですが、共働きの家庭が
ほとんどなので、祖父母が送迎を担当することが多いようです。
校門を出ると子どもがまずやること。バッグをおじいちゃんやおばあちゃんに渡す。
そう、バッグを持ってもらうんです!
(教科書がいっぱい入っていて重いので、キャスター付きのバッグの子も多い)


で、日本とは比べ物にならないくらいの競争社会の中国なので、そのまま塾に
行く子も多いので、その前に何か食べたりする光景も良く見かけます。
それがまた清涼飲料水とか甘いものとか油っぽいものとか体に悪そうなモノばかり!
こないだ夫が「上海は肥満児が多い」と言っていたけれどまさにその通り。


いつぞやは私がスタバで勉強していると、学校帰りの小学生とおじいちゃんが入ってきました。
彼女はおじいちゃんから100元をもらいカウンターへ。
生クリームたっぷりの飲み物(中国人はこればっかり頼む)と甘そうなケーキを買い、
おつりをおじいちゃんに渡しドアを開けて外へ。
おじいちゃんはその後を孫のバッグを持って急いで追いかけた。


この間、2人の間で交わされた言葉はゼロだったんです。
おやつの内容とかにも問題はあるけれど、それよりも彼女がおじいちゃんのことを
「お金くれて荷物運んでくれる人」としか認識していないのが伝わってきて、
空恐ろしくなりました。


両親と双方の祖父母という「6つのポケット」は日本でもたまに取りあげられますが、
中国はポケットなんてかわいいもんじゃない。。。
結婚前には住宅購入を6人で援助したりもするみたいです。


激しい受験競争を生き抜くためにものすごい勉強もしなければならない子ども達。
(小学生も毎日恐ろしい量の宿題を出されるので、夜中11時とか12時まで勉強)
勉強以外のことは親が全部やってあげるので、身の回りのことができない子も多い。
家事ができないなんて当たり前で、本当に身の回りのこと!


私が聞いた話。
「私の知り合いの子、小学生だけどほっとくとちゃんとご飯食べないから、
口をあ〜んと開けさせて、おじいちゃんがご飯をそこに入れるのよ。
あ、そういえば甥っ子は中学生なのに親が靴下履かせてあげるのよ…」
ひょえー!


中国の教育についてはいろいろ思うところがあるので、またいつか詳しく
書いてみたいなあと思います。


でまあこんな風に普段から、中国のしつけって一体?って思うことが多いのですが、
伝統的にはしつけとか結構厳しかったみたいなんです。
今はあまり説得力ないけど。。。学校の先生が一生懸命説明してました(笑)


先生は30代ですが、このように主張します。
「公共の場所で子どもが騒ぐと中国人の親は叱るのにアメリカ人の親は叱らない」
騒ぎまくってる中国人の子どもは何度も見たけど…と思いながら聞いていると、
彼女自身が体験したことを話してくれました。


ある時、先生が外で食事をしていると(雰囲気の良いお店だったらしい)、
近くでアメリカ人(先生がそう言ってました)の家族も食事をしていました。
ところが、食事が終わったのか、その家族の男の子は飽きて席を立ち、
店中を走り回ったり、よそのテーブルの邪魔をしたりし始めたそう。
でも親は知らんぷりで、子どもを注意することはなかったとか。


先生は「中国人の親ならここで怒るのに」と思ったそう。
(でも日本でもこういう光景を見るようになってきましたね)。


興味深かったのはその後の話。
男の子は先生の席にやってきて、横に置いていた彼女のバッグを勝手に開けたのだそう!
先生はびっくりして、でも怒鳴ったりはせずに、英語でこう言いました。
「だめよ!このバッグの中にはが入ってるの!開けると出てくるよ!怖いよ!」


すると、彼の母親がここでやっとテーブルにやって来て、こう言ったとか。
「すみません、この子がバッグを開けたのは謝ります。
でも、子どもに嘘はつかないでください
(息子に向かって)人のバッグを開けちゃダメでしょ。
でも、中に蛇は入ってないわよ


先生はぽか〜ん。
話を聞いていた我々生徒も先生と同じく「そこかよ!」とわーわー騒ぎました。
でも同時に、嘘というか、いわゆる饅頭怖い的な「こどもだまし」を安易に使わない、という
その家庭の教育のスタンスがきっちり貫かれていて、これはこれで面白いなあと、実は密かに
感心してしまいました。
ま、その前に息子さんを注意してほしいですが(笑)


今日はなんだか長くなってしまいました。。。
最後に、最近知った海外在住の子ども向けの素敵なサイトをご紹介します。
おかわりだいすき
おかわりだいすき(大人のページ)


「おかわりだいすき」という名前がもう素敵すぎ(私もおかわり大好きです)。
海外で子育てしている人に限らず、誰が見ても面白いと思います。
そして、ボランティアベースで作られているということに脱帽…!