トロッコ

文化の日、皆さんはいかがお過ごしでしたか?
私にとっては、2年ぶりの文化の日でした。
欧米諸国からは、日本は休みが少ない国と思われているようですが、
中国に比べるととても祝日の多い国です。
一般的な年末年始のお休みを入れると、年間で10日ほど休日が多いとか。
元々それに慣れているとあれですが、駐在員は悩むところかしら?
その分補完する休暇制度がある会社もあるようですが。


先日、映画「重慶ブルース」のことを書きましたが、帰国後初めて見た
映画はこれではなく、地元長崎の映画館で見た「トロッコ」でした。
帰ってきて、やっと映画を見ようという余裕が出てきたのかな。


芥川龍之介の「トロッコ」を読んだことありますか?
私はおそらく中学校?の国語の教科書で出てきたように覚えています。
詳細は覚えていないものの、主人公が山中をトロッコで一人移動する時の
あの想像できないほどの孤独、恐ろしさは、まだ心に残っています。


この映画は日本映画ですが、トロッコが日本にもう残っていないことから、
オール台湾ロケとなったようです。
日本語が話せる祖父母と、日台ハーフの子が、恐る恐るふれあい、近寄り、
また、それに並行して、歴史や家族のエピソードが差し込まれていきます。
台湾の花蓮市でロケをしたようですが、とても良かった。緑が美しい。
田舎の台湾に行きたくなりました。


言葉について思ったこと。
地元のお年寄りの言葉は台湾語
たまにはっきり話す普通語、そして日本語はもちろん理解できる。
若い人の中国語は普通語に限りなく近い。
主人公のお母さんの中国語はあんまり上手じゃない。


重慶ブルースもみんなゆっくり話すので台詞は分かりやすかったです。
そういえば重慶ブルースにて、主人公が一般庶民が住む住宅地を歩いていると、
CCTVの夜7時のニュースのイントロのメロディーが遠くから流れてくるんです。
これは、とても意味深だった。
だってこれ、中国人でも「政府のプロパガンダの真骨頂!」と言って憚らない人が
多いくらい、ガッチガチのニュース番組なんだもの。
中国映画監督第6世代の王小師、ポジティブな意味では使っていないはずです。
と同時に、これくらいでしか表現できないのかと思うと、やはり心が苦しい。